F15部品落下 機体の老朽化も原因か 後絶たず、基地周辺住民は危惧


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滑走路を進む部品を落下させたF15戦闘機の同型機=5日午後0時20分ごろ、嘉手納町(大城直也撮影)

 【中部】4日に部品落下事故を起こしたF15戦闘機(C・D型)は、1979年に世界で初めて米空軍嘉手納基地第18航空団に配備された制空戦闘機で、今年で配備から41年となる。米軍は空中戦では「無敗」であることなどを理由に「近代の戦闘機において最も成功を収めている機種の一つ」だとして性能を高く評価しているが、部品落下や墜落事故などが後を絶たないのが現状だ。嘉手納基地周辺の住民からは機体の老朽化や、それに伴う事件事故を危惧する声も根強い。 

嘉手納基地所属のF15を巡っては、1987年の沖縄本島東海上への墜落を皮切りに少なくとも7回の墜落事故が確認されている。機体からの部品落下も相次いでおり、2014年は1年間で5件発生した。

 同基地では最近も、湾岸戦争で実際に使用された機体が今もなお飛行している様子が確認されている。度重なる事故を背景に、米国の予算減に伴う整備不良に加え機体の老朽化を指摘する識者もいる。第18航空団によると、嘉手納基地には現在約50機が配備されている。同航空団は本紙の取材に対し、最古の機体の製造年や平均寿命、メンテナンス方法について明確な回答は避けたが、「我々は信頼性の高い機体に、高度の訓練を受けた操縦士、整備士、乗組員を備えている」と回答した。(当銘千絵)