沖縄、20年就業3.2万人減少か 県内総生産は3200億円減 シンクタンク試算


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 南西地域産業活性化センター(NIAC、大嶺満会長)は6日、新型コロナウイルス感染症が2020年の県経済に与える影響の試算を発表した。観光客の落ち込みが県経済全体に波及し、県内就業者数は3万2730~3万4200人の減少となり、完全失業率は1・8~1・9%悪化すると推計した。消費者物価指数は0・8ポイントの減少、国税や県税の税収は624~651億円の減収が生じるとしている。

 この結果、名目の県内総生産(GDP)は3267~3411億円の減少となり、実質GDPの成長率は6・3~6・6ポイント押し下げられると分析した。県によると、17年の名目のGDPは4兆4141億円、実質GDPの成長率はプラス1・5%だった。

 試算は、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)が公表した入域観光客数減少の推計値に基づいて算出した。家計支出やイベント中止などの影響は含まれず、NIACの金城毅上席研究員は「影響はもっと大きくなる可能性がある」としている。OCVBは2020年の観光客数について19年比61・5%減の391万人に落ち込むと推計した。現時点で残っている修学旅行や団体旅行の予約にキャンセルが出ると、同64・1%減の365万人に悪化すると見込んでいる。

 NIACは、雇用や県民消費といった内需に関わる指標でも大きな落ち込みがあると想定している。