那覇市松山の繁華街 人影まばら、不安渦巻く 86人感染に店主らに驚きの声


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新型コロナウイルスの影響で人通りがかなり減った週末の繁華街=8日午後7時20分ごろ、那覇市松山(画像の一部を加工しています)

 「こんな松山、今までに見たことがない」。道行く人がまばらとなった8日の那覇市松山の繁華街。シャッターが降りた店にはネオンサインがわびしく光り、無人化した街を照らしていた。松山で働く飲食店従業員を対象とした2千人を超える新型コロナウイルスの検査は86人が陽性だった。飲食業者からは「多すぎる」「ほっとした」などさまざまな声が聞かれた。

 松山で飲食業を営む店主は検査結果に「80人以上は多い」と驚く。店主によると、7月下旬に店を訪れたグループの中から複数の陽性者が確認された。1人は症状が重いという。グループはキャバクラの店員と県外からの観光客で、来店後に症状が出たという。「感染する不安があるので今は休業している」と声を落とした。

 ダイニングバーを営む男性(33)は検査を受けて陰性だった。「(陽性者が)意外と多くはなかったのでほっとした」と安堵(あんど)の声をあげた。男性は7月中旬に陽性者と濃厚接触したため、これまでに2回検査を受けている。「陰性である限り、店は開ける」と決めている。15日まで県から休業要請が出ているが「家族や店を守らなければいけない。生活していくためには店を開くしか方法はない」と苦しい内情を話した。感染のリスクを考え、現在は常連客のみ入店可能としている。

 別の飲食店店主の男性(32)は松山にある店舗を休業している。「風評被害がある上に休業補償はない。あったとしてもすずめの涙ほどだ」と吐き捨てた。

 松山のクラブで働く女性(50)は「8月いっぱいは休業要請を続けた方がいいと思う。15日以降に再開してもまた感染者が増えるだけだ」と休業要請解除後の感染リスクを懸念した。