重症者病床50%埋まる 沖縄のコロナ死者は計10人に 10日発表の2人は「急変」


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 新型コロナウイルスに関して、県内の死者数は累計10人に達した。県が10日に発表した死亡者3人のうち、2人は重症と確認されておらず、急に症状が悪化したとみられる。県内で新型コロナの感染が広がる中、重症の患者も増加傾向にあり、県内の重症者用病床は50%が埋まった。

 重症と確認がされない中で亡くなったのは、宮古島市の高齢女性と本島の患者1人。宮古島市の女性は7日に入院し、9日に死亡を確認した。宮古島の別の患者1人が自衛隊ヘリで本島に搬送されたことに関して県は9日、「宮古島には他に重症者はいない」と発表していた。その後に、女性の死亡が分かった。本島の患者1人も重症者にカウントされないまま死亡が確認された。

 県が調査中としていて詳細な情報は不明だが、2人とも明確な基礎疾患は確認されていない。県の糸数公保健衛生統括監は「年齢がリスクになった可能性はある」との見方を示した。

 重症者は前日から4人増えて11人になった。県内の重症者用病床は10日現在22床で50%がすでに埋まっている。離島は宮古、八重山に1床ずつあり、人工呼吸器による治療が可能だが、いずれも現在は使われていない。離島の患者の重症化が進み、肺の機能を代替する人工心肺装置「ECMO(エクモ)」が必要になれば、本島に搬送するという。

 3人の死亡を受けて玉城デニー知事は10日、高齢者への感染の広がりを懸念した。「一人一人の取り組みこそ重要だ」とし、外出自粛などの感染予防を繰り返し強調した。

 死亡した3人のうち1人は7月31日に別の疾患で亡くなった60代男性。沖縄赤十字病院に入院中に集団感染でコロナに感染した。県は厚労省からの回答を得て新型コロナの死亡例に追加した。