小学校クラスター「お前のせい」と言わないか…個人情報問う電話、浦添市は差別警戒


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浦添市内の小学校でクラスターが発生した経緯を説明する(右から)松本哲治市長、當間正和教育長=12日午前、浦添市役所

 浦添市内の小学校で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したことを受け、浦添市教育委員会には「どこの小学校なのか」「何年生か」など、感染者の情報を聞きだそうとする外部からの電話が複数あるという。市教委では「学校や個人の特定につながる情報は明かさない」として応じていない。

 7日の記者会見で當間正和教育長は「感染者はみんな被害者と考えている。人権を守っていくことが必要だ」と話し、感染者への差別がないよう呼び掛けた。松本哲治市長は「市や市教委が感染者や経緯について把握し、対策を取っている。伝えるべき情報は必要な方に届けているので、連絡が来ない保護者は過度な心配は持たないようにしてほしい」と強調した。

 同校の保護者の男性は「感染した先生や子どもたちは悪くない」と断言する。一方で「子どもたちは感染者に対して『お前のせい』と言ってしまうこともあるかもしれない」と影響を懸念した。「自粛生活でストレスをためた子どももいる。再開後は児童の心のケアに力を入れてほしい」と学校に求めた。