県は緊急事態宣言を延長し、警戒レベルを「感染蔓延期」に引き上げたが、県外からの渡航自粛を求めなかった。その理由として感染の中心が当初の「夜の街」や県外移入から、家族や会食、高齢者施設など県民生活に移っていることを挙げた。玉城デニー知事は、家庭や職場での感染対策の徹底で、今月半ばをピークに流行を抑えることができると見通す。
ただ、県外の移入例から松山などでクラスター(感染者集団)が発生したことで、県全域での感染拡大につながった。「県民には規制を敷く一方で観光客は自由に来てというのはおかしい」という県民の声もある。玉城知事は国に対し、出発地の空港での熱感知やPCR検査など水際対策の強化を求めているが、見通しはついていない。これ以上感染が拡大すれば「人災」との批判が出る可能性もある。
県民全体で努力する一方で、県も経済と感染対策をどう両立するのか、出口戦略に本腰を入れることが求められる。
(中村万里子)