政治

基地外病院使用、4月に意向 米軍 中部首長に、県には7月通知

 新型コロナウイルス感染症対策で、米軍基地内の病院で対応できない場合は県立病院など基地外の病院を利用する可能性があることについて、在沖米軍が4月の段階で本島中部の市町村に知らせていたことが14日までに分かった。4月3日にキャンプ瑞慶覧(フォスター)で開かれた市町村長との会議で、首長側の質問に答える形で米軍が伝えた。米軍が県にその旨を伝えたのは、基地内でクラスター(感染者集団)が発生した7月に入ってからだった。


宜野湾市の開示資料。赤線(本紙による加工)は、米軍が基地外病院使用に言及した箇所

 調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)の河村雅美代表が宜野湾市への情報開示請求で明らかにした。市町村に説明する一方、県には知らせていなかった米軍のちぐはぐな対応が表れた形だ。市町村の情報公開や県との情報共有の在り方についても課題が浮き彫りとなった。

 宜野湾市がまとめた報告書によると、米側は「海軍病院も努力するが、患者のケースによっては琉球大学や県立中部病院に協力を求める」と答えた。

 この会議は米軍が4市町村に呼び掛け「コビッド・ナインティーン・アップデート(新型コロナウイルスに関する進捗(しんちょく)状況)」と題して開かれた。

 米軍側は海軍病院のクルーラック司令官、政務外交部のオーウェンズ部長、フォスターの司令官らが参加した。

 地元からは宜野湾市の松川正則市長と北谷町の野国昌春町長、北中城村の新垣邦男村長、沖縄市の仲本兼明副市長が出席した。

 米側と市町村が交わしたメールの記録を見ると、米軍側が首長レベルの出席を「強く要望」したことも分かる。

 本紙は当日の会議終了後、首長たちに会議の内容を取材したが、県立病院の使用について首長たちは明らかにしなかった。県にも市町村からの情報提供はなかった。

 県によると、海軍病院では人工呼吸器まで対応できるが、それ以上の重症になると対応できず、米軍は基地外の病院に対応を求める構えだ。県内の警戒レベルは最も深刻な第4段階(感染蔓延(まんえん)期)に達しており、医療体制は逼迫(ひっぱく)している。 (明真南斗)



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス