どう違う?辺野古新基地と那覇軍港 知事は「経済進展性」「代替施設」主張


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那覇軍港移設予定地の浦添西海岸の浜辺を散歩する人たち=19日、浦添市西洲

 米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添市移設を巡り、沖縄県と那覇、浦添の両市が軍港代替施設を北側に配置することで事実上、合意した。既存施設の返還のために県内移設を条件としているという点では、普天間飛行場の返還・移設問題と似ている。玉城デニー知事は、名護市辺野古への移設に伴う新基地建設とは異なると主張し、容認の立場を取っている。

 玉城知事は18日の3者会談後、那覇軍港移設については「沖縄の経済の進展性を含めた計画」と説明した。その上で自然環境に配慮した形で進める考えを示した。一方、辺野古新基地建設は「貴重な生物多様性のある海域」で「軟弱地盤の存在」や「膨大な費用と長い年月」という問題があり、県民が反対の意思を示している中で進められていると強調した。

 県によると、普天間飛行場と異なり軍港や弾薬庫といった新たな基地機能が加わる辺野古新基地建設に対し、那覇軍港の浦添移設では現在の運用の範囲内にとどめることが前提だという。そのため新基地ではなく「代替施設」だと位置付けている。

 県関係者は、軍港の面積は移設で現在の約56ヘクタールから約49ヘクタールに縮小されるとし「あくまで現在の機能を移すだけという認識だ。面積が大きくなったり新たな機能を追加したりするとなれば話は違うが、現時点でそういった話はない」と述べた。

 ただ、軍港の設計や機能は今後協議されるため、実際はまだ決定していない。機能強化を抑えることができる保証はない。辺野古新基地建設について日本政府は「機能強化ではなく、面積も小さくなる」と説明してきた。軟弱地盤の存在や工期・工費が膨らむことについても着工後に明らかにしてきた経緯がある。