石垣陸自配備、市民が工事中止要請「生命財産奪うもの」 騒音や環境破壊に抗議


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要請書を読み上げる石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会の上原秀政共同代表(前列中央)ら=17日、石垣市登野城

 【石垣】石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会は17日、市平得大俣で工事が進む陸上自衛隊駐屯地建設工事の中止を求める要請書を防衛省と沖縄防衛局に送付した。配備予定地の旧ゴルフ場部分での掘削・岩石破砕工事で騒音が発生し、住民生活と環境を破壊しているとして抗議した。

 要請書では陸自配備による“標的化”や、周辺地下水系や生態系への影響の懸念を示したほか、配備の是非を問う住民投票も実施されておらず、住民合意は形成されていないとした。新型コロナウイルスの感染拡大下において島外工事関係者が出入りすることについても疑問を呈した。

 秋田、山口両県で配備予定の「イージス・アショア」が「ブースター」と呼ばれる推進補助装置が原因で計画停止となったことを念頭に「(駐屯地に配備される)地対艦誘導弾のブースターの落下地点下には無防備な市民が生活している。ミサイル基地は市民の生命財産を守るどころか逆に奪うものとなる」と指摘した。

 17日に市内事務所で会見を開いた市民連絡会の金城哲浩共同代表は「イージス・アショアは地元の強い反対で撤回された。沖縄では、辺野古にしても石垣島にしても一方的に進めている。同じ国民なのだから、防衛省は重く受け止めて、工事を中止してほしい」と訴えた。

 10月以降に配備予定地の旧市有地での工事も進む可能性があることなどから、市民連絡会は今回、改めて工事中止を求めた。