交通移動のチケット、スマホで事前に一括購入 MaaSが沖縄県で実証実験へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 国土交通省が進める情報通信技術を活用した次世代交通サービス「MaaS(マース)」の実用化に向けたモデル事業の対象として、沖縄都市モノレールや琉球銀行など4社と県内7自治体でつくる沖縄MaaS事業共同体の事業が選定された。スマホで観光施設などへ移動するチケットが一括購入できる仕組みを構築し、早ければ年内にも本島全域と先島、伊江島、座間味島などで実証実験を開始する。

 MaaSは「モバイル・アズ・ア・サービス」の略。同共同体は、複数の交通機関と観光・商業施設のチケットを連携させた観光型MaaSを構築する実証実験に取り組む。インターネットの専用サイトで、行きたい場所や利用したい交通機関を選択し、チケットを電子決済で購入すると、スマホにチケットが保存できるシステムを目指している。

 連携する交通機関はモノレールや、観光施設を結ぶバス、タクシー、先島と周辺離島、本島と伊江島、座間味島を結ぶ船舶など。カーシェアなど外部サービスや他地域のMaaS事業との連携も計画している。

 MaaSの実証実験は2019年度、八重山地域で実施した。本年度は規模を拡大し、得られたデータを蓄積、利活用することでサービス向上につなげる。

 そのほかに同共同体を構成する企業はゼンリン、TISなど。参加する自治体は石垣市、浦添市、宮古島市、今帰仁村、伊江村、座間味村、竹富町。今後は他自治体とも連携を広げる。

スマートフォンで表示される交通機関チケットのイメージ図