東京バス、沖縄の路線事業に参入 空港や那覇の中心地と南部結ぶ2路線 コロナ禍でも「長い目で見て発展」


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沖縄県内を走る東京バス(同社提供)

 全国で観光バス事業や路線バスを展開する東京バス(東京都、西村晴成代表)が、沖縄県内の路線バス事業に参入する。
 瀬長島を経由して那覇空港と美らSUNビーチ(イーアス沖縄豊崎)を結ぶ系統を中部観光サービス(豊見城市)から引き継いで9月14日から運行するほか、糸満市役所から那覇市のパレットくもじ前までの新規系統を10月上旬に開設する。8月19日付で沖縄総合事務局から路線バス事業の許可を取得した。

 東京バスは今年1月に豊見城市に沖縄営業所を開設し、沖縄での観光貸し切りバス事業を開始した。観光需要を見込んだ路線の開設についても並行して準備を進めていた。

 沖縄での事業計画として、貸し切りバス22台を既に導入しており、路線バス事業の開始までに新たにバス9台を導入する。県内では、運転手も含めて21人の社員を雇用する。沖縄営業所の担当者は「コロナ前からの計画のため現在は厳しい状況だが、長い目で見て南部地域は今後発展が見込まれる」と話した。

 那覇空港―美らSUNビーチの系統は、中部観光サービスが2019年から運行してきたが、9月13日で撤退する。新型コロナウイルスの影響で乗客が減少し、路線バス事業の維持が厳しくなった。今後は、中部観光サービスは観光バス事業のみとなり、運転手8人は東京バスが雇用する。

 東京バスは、東京から関西までの高速路線バスや羽田空港リムジンバスを運行するほか、貸し切り・観光バス事業を展開している。北海道や関西地域などに多くの関連企業を持つ。

 中部観光サービスは、18年に合同会社から株式会社に変更してWBFホールディングス(大阪市)の傘下となり、路線バス事業を始めた。新型コロナの影響で経営が厳しくなり、今年に入ってからWBF側が株式を手放していたという。