第11管区海上保安本部は24日午後4時33分ごろ、行方不明となっていた八重山漁協所属のマグロはえ縄漁船「博丸」(7・3トン、4人乗船)を、宮古島西の沖約5キロの海上で発見した。漁船は船底を上にし、転覆した状態で発見された。船底の上には救助を求め手を振る技能実習生の10代男性(インドネシア国籍)1人が確認された。男性は11管のヘリコプターで救助され、宮古島市内の病院に搬送された。男性に意識はあり、救助隊員との会話もできるという。
11管は救助した男性から話を聞くなどし、引き続き残る3人の行方を捜索している。11管によると、漁船には日本人の60代男性船長とインドネシア国籍で技能実習生の20代男性2人、救助された10代男性1人が乗船していた。
漁船は那覇市の泊漁港から18日午後3時ごろ、石垣島に向け出港した。22日午後4時半ごろ、石垣島周辺海域から「約1時間後に石垣漁港に入港する」などと、関係者へ連絡したのを最後に行方が分からなくなっていた。当時は台風8号の影響を受け、石垣島周辺の海上は大荒れの状態だったという。11管は発見された漁船の周辺海域を中心に、巡視船や航空機などで捜索を継続している。
八重山漁協は24日、漁船が行方不明になったとみられる石垣市白保の沖合に船23隻を出して捜索に当たった。台風8号の影響が残る中、組合員らは漁船の手掛かりを懸命に探した。組合員からは「1人救助されたのならまだ可能性はある」「残る3人も無事でいてほしい」など、帰還を祈る声が聞こえた。同漁協は25日も引き続き海上で捜索を続ける。