沖縄・渡嘉敷で「50年に一度」観測史上最大の大雨 台風8号 本島でも国道58号が通行止め


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道路をふさぐ土砂の除去作業をする消防職員ら=24日午後10時31分、恩納村名嘉真(ジャン松元撮影)

 強い台風8号は24日午後8時現在、暴風域を伴って久米島の北の海上をゆっくりと北上し、沖縄地方を離れつつある。気象庁によると、渡嘉敷村で午後4時42分までの1時間に観測史上最大となる、115・5ミリの猛烈な雨を記録した。これまでの雨で沖縄本島と慶良間・粟国諸島で土砂災害警戒情報が発表された。国道58号では大規模な冠水が発生し、北谷町砂辺から嘉手納町野国までが約2時間、全面通行止めとなった。

 本島中北部では、床上浸水や床下浸水の被害が確認された。6市町で避難勧告が出た。渡嘉敷、座間味の2村では午後4時40分までの1時間に解析雨量が120ミリ以上の猛烈な雨となり「記録的短時間大雨情報」が発表された。渡嘉敷村では50年に一度の記録的な大雨となっている所があり、災害発生の危険度が高まっている。渡嘉敷では午後9時までに、3時間で191・5ミリ、6時間で239・5ミリの観測史上最大の雨量を観測した。

 暴風警報は久米島と慶良間・粟国諸島で発表され、いずれも午後4時すぎに解除された。久米島空港で午前10時1分に最大瞬間風速36・5メートルの南西の風を観測した。沖縄本島地方は25日も最大風速20メートル、最大瞬間風速35メートルの非常に強い風が吹く見込み。台風の影響で24日の県内航空便は少なくとも68便が欠航し、沖縄旅客船協会によると海の便では58便が欠航した。

 台風は24日午後8時現在、久米島の北約230キロにあり、ゆっくりと北上している。中心気圧は975ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートル。