多様な人材育成議論 万国津梁会議 コロナ後見据え初会合


この記事を書いた人 アバター画像 米倉 外昭
オンラインで開催した多様な人材育成に関する万国津梁会議=24日、県庁

 県が掲げる沖縄21世紀ビジョン実現に向け「多様な人材育成」をテーマにした有識者会議「万国津梁(しんりょう)会議」の初会合が24日、オンラインで開かれた。新型コロナの影響による働き方・教育環境の変化や、担い手不足が慢性化している保育士・介護士などの保健福祉分野の現状が報告された。人工知能(AI)や単純作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)といったITの影響なども指摘された。

 委員からは、オンライン化を通した離島の教育環境整備に期待する声や、社会課題の解決につながる企業の在り方と人材育成、管理型教育が主流の日本の企業モデルから転換した沖縄独自の人材育成の必要性などが指摘された。

 今後も産業振興や地域社会を支える人材の育成や、新型コロナウイルス流行収束後の社会変化に対応した人材育成の方向性について議論する。4~5回の会合を経て、来年2月ごろまでに提言書をまとめる。

 委員は企業や舞台芸能、社会福祉団体、大学の関係者ら10人が務める。宮平栄治名桜大大学院国際文化研究科教授が委員長に、平良一恵オリックス・ビジネスセンター沖縄執行役員が副委員長に就いた。

 玉城デニー知事は「沖縄県は資源が少なく、島しょ地域なため、今後の発展は人材こそが最大のよりどころで強みになると考えている」とあいさつ。年少人口比率が全国一高い点を踏まえ、若い世代の育成が重要と呼び掛けた。