台風8号 短時間大雨で浸水や土砂崩れ 沖縄本島各地に影響 一部離島で休校も


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
台風8号の影響で道路に押し寄せる激しい波しぶき=24日午前11時50分ごろ、本部町崎本部の国道449号

 台風8号が沖縄本島の西の海上を北上した24日、本島各地や久米島、慶良間諸島などは大雨に見舞われた。冠水や土砂崩れ、サトウキビが傾くなどの被害が相次いだ。渡嘉敷村と座間味村では記録的短時間大雨情報が発表され、夕方以降は本島中北部で風雨が激化した。北谷町から嘉手納町にかけての国道58号で大規模な冠水があり、2時間近く片側3車線が全面通行止めとなった。 

 本島中部では少なくとも土砂崩れ2件、床上浸水11件、床下浸水5件が確認された。道路冠水も各地で相次いだ。人的被害はない。ニライ消防本部によると読谷村、嘉手納町、北谷町では床上浸水1件、床下浸水3件、道路冠水13件があった。ブロック塀の倒壊が1件、倒木も2件あった。

 国道58号が嘉手納町野国から北谷町砂辺にかけて一時水没した。全面通行止めの解除後もしばらく渋滞した。砂辺に住む50代男性は帰宅途中に通行止めの情報を聞き、町役場方面に迂回(うかい)した。「短時間で大雨が降り、こんな事態になるとは思わなかった。仕事終わりの時間なので困った人も多かっただろう」と語った。

 沖縄市消防本部によると沖縄市で幅6メートル、高さ1.5メートルの土砂崩れがあった。道路冠水5件、床上浸水も1件あった。うるま市では土砂崩れ1件、床上浸水9件、床下浸水2件、道路冠水が21件あった。

 名護市では午後5時半から同6時半ごろに道路冠水が相次いだ。同市大北では車両3台がタイヤの高さまで水没、為又では民家1軒が床下浸水したが、人的被害はなかった。恩納村谷茶で1件の床上浸水、南恩納で3件の床下浸水があったほか、山田で車3台が浸水した。谷茶で2人、南恩納で1人が避難した。金武町金武でも1件の床上浸水と、車3台が水没したが、人的被害はなかった。国頭村では1人が避難した。

 台風が接近した久米島では道路に枝葉が散乱し、暴風でサトウキビが傾いた。40代の女性は「(近海での)停滞時間が長い。早く島から遠ざかってほしい」と困惑気味に話した。

 台風8号の接近に伴い、久米島町、座間味村、粟国村の公立幼稚園、小中学校、県立高校は24日、終日休校となった。渡嘉敷村は児童生徒が登校後、暴風警報が発令したため、午前中から臨時休校となった。渡名喜村は夏休み中のため児童生徒は登校していなかった。

冠水した道路で水につかった自動車=午後5時58分ごろ、名護市大北