【石垣】八重山漁業協同組合所属のマグロはえ縄漁船(4人乗船)と連絡が取れなくなったことを受け、同漁協所属の船23隻が24日、石垣島東方の海上を捜索した。多くの船が石垣漁港に帰港した後に、船員1人が救助されたとの一報が入り「見つかって良かった」と安堵(あんど)する声が上がった。残る3人の無事を願い、25日は泊まりがけで捜索を行うという。
八重山漁協によると、23隻は1マイル間隔で横に並び、はえ縄漁船の位置情報が途絶えた石垣島白保沖から南向けに進み、捜索に当たった。24日も波が高かったという。
捜索から帰港した後、宮古島沖で転覆した漁船が発見され、船員1人が救助されたことを報道で知ったという高橋拓也さん(48)は「あれだけ風が吹いていたら、そこまで流されてもおかしくないのではないか。でも見つかって良かった」と話した。
八重山漁協の伊良部幸吉代表理事専務によると、25日の捜索は漁業者からの声で決まったという。「宮古島沖でもあるので私は海上保安庁や周辺の漁業者に依頼しても良いと考えていた」とした上で、「漁業者から『1人救助されたのだからまだ可能性はある。捜索に行きたい』との声が上がり、実施が決まった」と語る。「漁業者は全然あきらめておらず、士気は高い。残りの3人も無事でいてほしい」と祈った。
転覆した状態で発見された漁船は普段、那覇市の泊漁港を中心に操業。那覇地区漁協の漁業者によると、船長は本島在住で「何十年もやっているベテラン」だという。この漁業者は「船は失っても命さえあれば再起できる」と無事を願った。