雇用調整助成金の相談急増 沖縄で1日150~250件 特例措置は9月末に期限 


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
雇用調整助成金専用窓口で申請手続きに訪れた事業主ら=25日、那覇市おもろまちの那覇第2地方合同庁舎1号館

 沖縄労働局の「新型コロナ感染症の影響による特別労働相談窓口」に、雇用調整助成金についての相談が今月に入り急増している。特例措置が9月末で期限を迎えるためで、事業主から「10月以降の支給はどうなるか」との相談が多い。7月は1日当たり50~70件で推移していた。県が緊急事態宣言を発令した8月1日以降は1日当たり150~250件ほどで推移している。

 国は4月1日から、助成率や1日当たりの上限額を引き上げる特例措置を設けて雇用調整助成金を支給している。現時点で特例措置延長の方針はない。

 21日時点で県内の雇用調整助成金の申請は1万3021件、支給決定は1万2277件で、支給決定率は94.3%だった。20日時点で支給総額は115億9千万円に上った。

 県の調査によると、4月以降、休業者は減少しており、6月は3万3千人(前年同月比1万5千人増)だった。一方、県内の同助成金の申請件数は、福岡に次いで九州で2番目に多く、助成金の活用で企業が雇用を維持している状況がある。

 沖縄労働局の担当者は「2、3回目の申請がほとんどだが、6月以降も申請は増え続けている。1日に250~300件ある」と説明した。労働局では雇用調整助成金の専用窓口を設けている。4、5月に休業した場合、今月末で申請期限を迎えるため、駆け込みでの申請が増え、最近2週間は1日に70~80社が利用しているという。

 窓口を訪れた飲食点を営む男性は「4月以降、売り上げがかなり落ちた。コロナが収束しても客足が戻るとは思えない。助成金がなくなれば、従業員を減らさなければならない」と語った。

 旅館を営む女性は5月に営業を再開したが、緊急事態宣言の発令で今月から再び休業している。「事業再開のために施設は清潔に維持する必要がある」と話し、人件費だけでなく、維持費も負担になっていると言う。女性は「助成金がないと厳しい。特例措置を長く続けてほしい」と述べた。(比嘉璃子)