レ・ミゼラブルの感動をライブ配信 駒田一さんと屋比久知奈さんが7曲再演


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レ・ミゼラブルより「民衆の歌」を歌う(左から)駒田一、小野田龍之介、屋比久知奈=18日、東京

 ゆかた姿の駒田と屋比久はタイトルコールを終えると、昨年のレ・ミゼラブルでテナルディエとエポニーヌの親子役だったことを振り返った。その上で、ジャン・バルジャンと彼を追うジャベールが歌う「Fantine’s death(病院対決)」を1曲目に歌い、意外な選曲で観客を喜ばせた。2人が2曲目の「夢破れて」を歌い終えると、屋比久と同じく昨年初めてレ・ミゼラブルに出演し、ことし上演が予定されていた「ミス・サイゴン」でも共演が予定されていた小野田が舞台に上がった。駒田が「(小野田とは)付き合いが長い気がする」とつぶやくと、小野田もレ・ミゼラブルの稽古で、ベテランの俳優から「初演からいるよね」と言われたエピソードを披露し、笑いを誘った。

 続く「民衆の歌」や「ブイ・ドイ(ミス・サイゴン)」では、大人の色気を漂わせる駒田の歌と、それと対照的な若々しい小野田の歌声に屋比久の優しく透き通った声が重なり合い、観客を魅了した。

 「The Lion Sleeps Tonight(The Tokens歌唱版より)」は、駒田がカスタネット、小野田が星形のタンバリン、屋比久が鈴を手に、観客の手拍子に合わせてゆったりと歌い上げた。本来複数の役・出演者で歌われる「ワン・デイ・モア」では、3人が各パートを取り合うように歌い、思わず笑みをこぼす場面も見られた。最後は駒田が「いろいろな夢を持ち、前に進んでいこう」という意味を込めて選曲した、ラマンチャの男の「Finale(見果てぬ夢)」で力強く締めくくった。

 屋比久は「私自身がパワーをもらった。また劇場で皆さまと笑顔で、健康で、お会いできること楽しみにしている」と話した。

 駒田は「一日も早く、舞台でミュージカルで、皆さんと一緒に作品を作りたい。またぜひ、劇場でお会いしましょう」と観客にラブコールを送り、瞳を潤ませた。
 (藤村謙吾)