県は28日、新型コロナウイルス感染症の対策本部を開き、29日に期限が切れる県独自の緊急事態宣言を解除するか否かを判断する。判断の参考にするため、27日夜、県の専門家会議が南風原町の県医師会館で開かれた。会議は非公開で行われ、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)していることや旧盆が控えていることなどから、医師や専門家ら全員が緊急事態宣言を延長すべきだと求めたという。
玉城デニー知事は25日に出演したテレビ番組で解除を示唆する発言をしていた。一方、専門家会議では旧盆で人の往来が激しくなり、感染が拡大する懸念が指摘された。緊急事態宣言の延長期間については旧盆が終わる1週間程度と、2週間程度に意見が割れた。
県立中部病院感染症内科の高山義浩医師は「流行が収束の方向に向かうのが期待できるとはいえ、下げ止まっている。宣言を延長すれば感染を抑え込んでいくことになるが、延長しない判断になった場合は、地域流行がある中でのウィズコロナを前提とする新しい生活様式になる」と述べた。
専門家会議では、検査対象についても元に戻すことで一致した。医療提供体制は27日現在、県が警戒レベルを判断する7指標のうち「新規感染者数」など5指標は第3段階に、「療養者数」は第4段階にある。