新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、海外留学中の県人学生にも影響が出ている。学生は感染防止のため帰国を余儀なくされ、時差の影響でオンライン授業への参加が難しくなるなど、学習環境が大きく変化している。留学を中断する学生も増えている。今後、学業を継続するか、留学を諦めて就職活動を始めるか、学生らは人生の岐路に立たされている。
2019年9月に中国の上海外国語大学へ進学した金城綾華さん(20)は、今年1月中旬に帰国した後、同大学へ戻れない状態が続いている。金城さんは「現在、中国では外国人の入国を暫定的に停止している。学校もすべてオンライン授業に切り替えた」と説明する。
金城さんは3月下旬から、留学先の大学の遠隔授業を県内で受けている。「これまで授業中に分からないことがあれば、すぐ隣の友人に聞けたが、今そういう風に勉強できる環境ではない。若者同士の交流もできず、とても残念だ」と肩を落とした。金城さんは9月から休学して、代わりに県内企業でインターンシップをするという。
米ミネソタ州のセント・ベネディクト大学(CSB)で、看護学を専攻する仲川ひかるさん(21)もコロナ禍で帰国を余儀なくされた。仲川さんは「日本とアメリカは時差があるため、オンライン授業はほとんど深夜3時に行われていた。ずっと家で勉強するのもストレスがたまる」と学業を継続することの難しさを感じている。
休学を決めた仲川さんは「学校でマスクを着用しない学生が多く、今アメリカへ戻るのはとても危険だ。しばらく様子を見て、日本で資格の取得や仕事をするしかない」と言い、新たな目標に向けて歩み出すことも考えている。
(呉俐君)