沖縄県は28日、新たに43人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。リスクの高い高齢者に感染が広がっている県内の現状などを踏まえ、29日を期限としていた独自の緊急事態宣言を1週間延長することを決めた。玉城デニー知事は県内医療機関の病床が依然、逼迫(ひっぱく)しているとして「安心できる状況にない」と医療現場の状況を重視。1週間を警戒監視期間に位置付け、延長期間中に迎える旧盆での行動について注意を促した。
延長の決定は27日に開かれた医師や専門家らによる専門家会議で、少なくとも旧盆を含めた1週間は警戒することが必要との意見がまとめられたことが大きい。県の対策本部では延長にほぼ賛同が得られたという。
一方で県は同日、13日から最高の第4段階(蔓延(まんえん)期)としていた警戒レベルを第3段階(流行期)に引き下げた。新規感染者が減少傾向にあることなどが要因だが、30人台で続いていた新たな感染者数は同日発表分で40人を超えた。七つの指標のうち、直近1週間合計の新規感染者数は前日の警戒レベル第3から再び第4に上がるなど、予断の許さない状況が続く。
重症、中等症の患者数も100人超が続き、医療現場への負荷は高いままだ。これ以上の負担増を防ぐためには重症化の懸念がある高齢者を感染から守ることが重要となる。
県は宣言延長で世代間交流が活発になる旧盆での感染リスク軽減を図る狙いだ。
玉城知事は経済を動かしながら市中感染をゼロにすることは可能との考えを示した。その上で「逼迫する医療を救いたい」とも述べた。