沖縄県の玉城デニー知事は30日午後、台風9号が非常に強い勢力で接近が見込まれることに伴い、異例のメッセージを発表した。最大瞬間風速が70メートルになると予想されることから、断水や停電に備えるとともに、早めの避難などを呼びかけている。コロナ禍にあることから、避難所だけでなく安全な親戚知人宅なども視野に入れるよう促している。
知事のメッセージ全文は次の通り。
<台風第9号への警戒について>
台風第9号については、 旧盆期間の沖縄に、本年初めて「非常に強い」勢力で接近する見込みです。
沖縄気象台によりますと、 台風第9号は、沖縄への接近が予想される31日から1日にかけて、中心気圧が925ヘクトパスカルとなり、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルが見込まれております。
30日時点では進路予想の範囲が大きい状態ではありますが、 暴風は31日午後に始まり、 本島・久米島地方、 宮古地方を中心に八重山地方についても暴風警報が発表される可能性があり、1日にかけて大東島地方を含む各地での猛烈なしけ、警報級の大雨、高潮となることも見込まれ、厳重な警戒が必要です。
また、この地域では、先週の大雨で地盤が緩んでいるところもあります。今後大雨警報が発表された場合は、土砂災害や低い土地の浸水等に厳重に注意するとともに、今後、沖縄気象台が発表する気象情報及び各自治体が発表する避難情報等に十分注意して下さい。
沖縄県では、災害対策本部を設置して台風災害に備えてまいりますが、県民の皆様、沖縄に来られている皆様には、以下の点に気を付けてくださいますようお願いします。
1.断水や停電の発生に備え、水の確保、懐中電灯や電池の確認、携帯電話の充電等事前対策に努めてください。
2.災害時においては、 「危険な場所にいる人は、避難すること」が原則ですので、早めの避難をお願いします。
3.現在、コロナ禍にありますので、市町村が開設する避難所だけでなく安全な親戚・知人宅に避難することもご検討ください。
4.また、新型コロナウイルスにより自宅で療養中の方々におかれましては、県が設置する宿泊療養施設への入所をご案内しておりますのでご協力をお願いします。
県としましても、避難誘導を円滑に進めるため市町村との連携を強化し取り組んでまいります。
5.そして、避難する際は、 マスク·手指消毒液など感染予防を目的とする用品を、 できるだけ自ら携行してください。また、発熱等症状のある方は、避難所の受付で申告して頂きますようお願いします。
6. 旧盆にもあたりますが、台風が接近している間は、外出を控え、港や海岸等、危険な場所には近づかないでください。また、ドアや窓の開閉に注意するとともに、屋内においても窓から離れるなど、身の安全に注意してください。
7.「命を守る行動」を最優先に、避難所への避難が危険な場合は、2階など垂直避難、建物の中でも崖側から離れることなども考えられます。
皆様には、暴風や大雨に十分警戒されるよう、よろしくお願いいたします。
令和2年8月30日
沖縄県知事 玉城デニー