首里城 アプリで疑似体験 記念撮影、募金機能も 東京のIT有志ら 開発資金、クラウドで募る


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「みんなで見守る首里城復興プロジェクト」によるアプリのイメージ

 昨年10月に焼失した首里城復興の一助を担うべく、東京のIT業界有志らがバーチャル体験などができるアプリ開発に取り組んでいる。アプリはAR(拡張現実)で再現した首里城で記念撮影をしたり、再建活動への募金をしたりできる機能を持たせる。クラウドファンディングで開発資金を募っている。

 取り組みは「みんなで見守る首里城復興プロジェクト」と題し、昨年12月に立ち上がった。東京のIT業界で働く松山幸世さん(44)や渡辺祐輔さん(35)、平尾健二さん(43)らが仕事の合間を縫ってボランティアで活動している。

首里城公園内で幻の生き物を探す周遊アプリのイメージ

 きっかけは川上玲東京工業大特任准教授らによる、提供写真で首里城をデジタル再建する取り組みだった。その「行動力と強い思いに共感した」松山さんは、直談判し協力を得た。デジタル化された首里城データを活用し、IT業界で扱うARや衛星利用測位システム(GPS)技術などと組み合わせる。

 アプリは主に6種類の機能を備える予定。現地で首里城を3D表示して記念撮影ができるほか、幻の生き物・白澤(はくたく)を探すゲームもある。自宅での歴史散策や、県や首里城基金への募金、沖縄の特産品購入も可能とする。

 焼失に心を痛めるメンバーだが、沖縄の人たちが再建に「頑張るよ」と前向きなことも活動を後押しした。松山さんは「自分でも何かができるきっかけとして、アプリを知ってほしい」と願う。渡辺さんは「皆と一緒に地域活性化させるものをつくっていきたい」と意気込む。平尾さんは「沖縄と接点が持てるツールとして、継続的な支援をしてもらえればうれしい」と期待を込めた。

 アプリは無料で、来年2~3月の提供開始を目指す。開発費用600万円はクラウドファンディングを手掛ける会社「レディーフォー」(東京)で資金を募る。10月23日午後11時まで。

 URLはhttps://readyfor.jp/projects/support-shurijo
 (写真は全て「みんなで見守る首里城復興プロジェクト」提供)

松山幸世さん
渡辺祐輔さん
平尾健二さん