新型コロナウイルス感染症が県内で流行する中、県は台風9号の接近に伴い避難所での感染に警戒感を強めている。避難所内は人が密集する傾向にあり、風雨を防ぐ目的で密閉するため「感染リスクが高くなると考えられる」としている。予防策として避難所運営の考え方をまとめ、30日に県内市町村の防災担当者らに配布した。高齢者は宿泊施設や親類宅への避難を推奨した。
県は市町村に対し、可能であれば避難を希望する高齢者に宿泊施設を提供するよう呼び掛けるほか、親類宅への移動を勧め、避難所内で高齢者が密集することがないような運営を求めた。新型コロナに感染し自宅療養している患者や濃厚接触者、体調不良を訴える人には、避難場所を別に設置している市町村もあるとして、事前に住まいの市町村に「確認してほしい」とした。
避難所の利用時はマスクを持参して屋内では常に着用し、小まめな手指衛生、せきエチケットを心掛けるほか、屋内ではできるだけ世帯ごとに遮蔽(しゃへい)したエリアを確保するよう注意点を挙げた。
利用者に体温計を持参することや体調変化に気を付けることなども求めた。運営側には屋内を完全に密閉することのないよう心掛け、少しでも外から風が流れ込む環境づくりや、換気用の扇風機の準備などを提案した。
県の糸数公保健衛生統括監は「本格的な台風で、避難所に集まることが想定される。できるだけ密集を避け、換気をしながら衛生対策を徹底してほしい。高齢者で親類宅に行く人は部屋を別にすることを原則として過ごしてほしい」と話した。