米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、県が仲井真弘多元知事による辺野古の公有水面埋め立て承認を撤回してから31日で2年となる。
翁長雄志前知事の死去に伴い、知事職務代理の富川盛武副知事、撤回の権限委任を受けた謝花喜一郎副知事は2018年8月31日に承認を撤回したが、政府は撤回を無効化し土砂投入を強行した。玉城デニー知事の誕生や県民投票、各種選挙で新基地建設反対の民意は示され続けているが、政府は新基地建設を推し進め、県と政府の法廷闘争が続く。
翁長氏は18年7月、新基地建設阻止の「伝家の宝刀」と位置付けられた承認撤回を表明した後、急逝。副知事による承認撤回で国は新基地建設を進める法的根拠を失い、工事は一時中断した。
18年9月の知事選で翁長氏の遺志を継いで新基地反対を掲げる玉城氏が初当選した。
だが、沖縄防衛局が県の埋め立て承認取り消しに対して国土交通相に審査請求と執行停止の申し立てを行い、国交相が埋め立て承認の取消しを執行停止した。11月に防衛局は工事を再開し、12月に辺野古沿岸部へ土砂投入を開始した。
19年2月には埋め立ての賛否を問う県民投票で約7割が「反対」に投じた。
国交相は同年4月に承認撤回を取り消した。県は対抗措置として7、8月に二つの訴訟を提起した。速やかに工事を止めることを狙っていた関与取り消し訴訟は2020年3月、県が敗訴した。
一方、撤回の中身を争う抗告訴訟は20年8月、第2回口頭弁論で結審した。11月に判決が言い渡される予定だが、県は審理が不十分だとして再開を求めている。