高齢者施設と医療、オンラインで結ぶ セルラーとメドレーが診療支援の実験開始


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医療機関の医師と「CLINICS」でつなぎ、診療を受ける高齢者(沖縄セルラー提供)

 沖縄セルラー電話(那覇市)と医療プラットフォーム事業を手掛けるメドレー(東京)は1日、県内の医療機関と高齢者施設を結ぶ、オンライン診療の普及に向けたサポート事業を開始した。

 オンライン診療の普及によって移動や待ち時間がなくなるため、入居者や付添人の新型コロナウイルスの感染リスク低減が図られるとして、県内での事業拡大を目指している。

 事業はメドレーのオンライン診療システム「CLINICS」を活用し、沖縄セルラーは高齢者施設にオンライン診療用のタブレット端末の無償提供、通信環境の構築などを進める。

 両社は1日に沖縄市の東部クリニックと同市の高齢者施設「シルバーホームりんご」を結び、オンライン診療の実証を開始した。東部クリニックの比嘉靖院長は「(介護施設では)感染予防のために高齢者の接触が厳しく制限され、高齢者が受診を控える傾向にある。受診自粛による高齢者の病状悪化が少しでも回避できればと考えている」と利点を語った。

 沖縄セルラーで同プロジェクト責任者の田中健介さんは「(オンライン診療は)受診するためのデバイスを持っていなかったり、小さなスマートフォンの操作に不慣れだったりする課題があった。タブレットを無償で貸し出すことで必要な通院が継続できる支援をしていきたい」と語った。

 沖縄セルラーは「CLINICS」の代理店業も担い、利用施設の拡大を目指すほか、将来的にはアプリを通して個人でもオンライン診療が受けられる環境整備も目指す。