台風9号で8人けが、住宅損壊も 久米島32時間以上暴風に 2日も大雨や高波に警戒を


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
道をふさいだ太さ約1メートルの倒木を撤去する市職員ら=1日午前11時ごろ、浦添市沢岻

 非常に強い勢力の台風9号は1日、沖縄本島地方や宮古島地方を暴風域に巻き込み、勢力を維持したまま東シナ海を北上した。同日午前3時半、久米島空港で最大瞬間風速54.5メートルを観測した。同日午後9時57分までに沖縄地方は暴風警報が解除された。久米島町などでは暴風警報が32時間以上継続した。

 沖縄地方は2日も高波や大雨、高潮などに注意が必要で余波が続く。高潮の影響で北谷町では住宅街の道路が冠水した。 

 台風による被害は同日午後8時現在、軽傷者8人、住宅一部損壊5棟、その他建物被害2棟だった。県内では36市町村124カ所に避難所が設置され、最大で404世帯580人が避難した。沖縄電力によると、台風の影響などによる停電は最大で1日午前2時現在の3万7760戸だった。同日午後10時現在で4540戸で停電が続く。一部地域で復旧が2日にずれ込む地域も見込まれる。

 暴風警報は本島地方と宮古島地方が31日午後1時半までに発表。宮古島地方は1日午前5時47分に解除された。1日午前2時8分に渡嘉敷島で47.5メートル、午前1時7分に南城市で45メートル、午前0時37分に那覇市で44メートルの最大瞬間風速を観測した。2日も強風への注意が必要となる。

 雨は31日午前0時から1日午後4時までに、久米島空港で232ミリ、名護市宮里で230.5ミリ、粟国空港で222ミリを観測した。沖縄本島地方では2日も警報級の大雨となる恐れがある。

 台風と大潮の時期が重なることから沖縄地方は引き続き潮位が高くなる見込み。沖縄気象台によると、中城湾港で1日午前6時に162センチを観測した。

 台風は1日午後7時現在、非常に強い勢力で、久米島の北北西約220キロにあり、1時間に15キロの速さで北北東に進んでいる。中心気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートル、半径200キロ以内は暴風域となっている。