「不安で帰れない」「自宅はどうなっているだろうか」。台風9号の影響で県内各地の避難所に身を寄せた人々は1日、長引く暴風に疲れた表情を見せた。新型コロナウイルスの感染防止のため、自治体が避難所に用意したテントや、ホテルの客室を利用する高齢の避難者が目立った。
浦添市役所には最も多い時間帯で12世帯が避難した。感染防止のため、仕切り代わりとなるテントも足りない状態だった。一部の市民は庁舎内の講堂で距離を保って過ごした。市内間の女性(73)は「勢力が強かったので用心した。新型コロナ対策も行われ、安心して過ごせた」と胸をなでおろした。
うるま市役所に市上江洲の女性(72)が8月31日午前から避難していた。1人暮らしで健康面に不安を抱えているという。「大雨はまだ続きそうだ。バスが運行するまでは帰宅できない」と話した。市によると、持病のある70代夫婦が感染防止のため、市内のホテルに避難した。
宜野座村松田で1人暮らしの女性(82)は、村地域福祉センターに31日から避難した。最近自宅の窓ガラスにひびを見つけ「割れるのでは」と不安になり避難した。「ガラスが割れていないか心配だ」と漏らした。
那覇市役所には多い時で41人が避難した。暴風警報が長引き、1日午後5時半時点で15人が残っていた。前日午後9時から避難する女性(87)は「1人暮らしなので、今回の台風は強いと聞いて不安になった」と話す。床に敷くマットや毛布が配られたが「ほとんど一睡もできなかった」と疲れた様子だった。