情緒学級のニーズ高まる 10年で中学9倍、小学7倍 設置基準見直しで急増 沖縄


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 沖縄県内の小中学校に設置されている「自閉症・情緒障がい特別支援学級(情緒学級)」の数が急増している。文部科学省が実施する学校基本調査によると、2010年度の情緒学級数は小学校で60学級、中学校で18学級だったが、19年度は小学校で435学級、中学校で161学級となっている。10年間で小学校が7.2倍、中学校で約9倍と大幅に伸びた。

 情緒学級の設置基準の見直しで、該当する生徒が1人でもいる場合は設置が可能となったため、学級数が急増したとみられる。

 情緒学級に通う児童生徒は、19年度が小学校で2554人、中学校で835人となっている。

 10年度は小学校で210人、中学校で62人だった。児童生徒数は小学校で12.2倍、中学校で13.5倍に増加した。

 情緒学級は自閉症や情緒障がいがあったり、心理的な要因で社会生活に適応できなかったりする児童生徒を受け入れている。従来は対象となる児童生徒が5人以上いる場合に設置していた。

 これまでは知的障がい特別支援学級に在籍する児童生徒が多かったが、17年度に情緒学級に在籍する児童生徒の数が上回った。

 県教育庁県立学校教育課の担当者は「自閉症や情緒障がいのある子どもたちへの支援が求められており、情緒学級のニーズが高まっている」と分析している。