障がい者求人33%減 県内3~7月は789件 コロナ拡大影響


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沖縄労働局

 新型コロナウイルスの感染拡大で、障がい者の求人が3月以降、減少していることが4日、沖縄労働局やハローワーク那覇への取材で分かった。2020年3~7月の障がい者専用求人は789件で前年同期より33・2%減少した。感染拡大の影響で企業を取り巻く環境が悪化し、求人の提出を控えていることが背景にある。

 県内で感染が拡大し始めた3月の障がい者の求人件数は前年同月比38・2%減の131件だった。緊急事態宣言が発令された4月は同48・3%減の152件と減少幅が最も大きかった。5月は同10・2%減の168件、6月は同36・3%減の135件、感染が再び拡大し始めた7月は同26・7%減の203件だった。

 例年は9月の就職説明会に向け8月は求人が伸びるというが、感染拡大防止のため説明会が延期になった。労働局の担当者は「(8月も)昨年より減少する可能性がある」と述べた。

 障がい者は一般求人に応募することもできるが、一般求人も減少している。ハローワーク那覇によると、求職者からは「応募できる求人が少ない」「就職活動が厳しい」といった相談が寄せられているという。

 障がい者の就職件数は3月は前年同月比1・9%増の271件だった。4月は同33・9%減の125件、5月は39・0%減の83件で減少が大きかった。6月は2・6%減の113件、7月は前年同月と同じ114件だった。8月の見通しについて、労働局の担当者は「求人が減少しており、回復の見通しは立てられない」と述べた。

 県内のハローワークでは障がいを持つ求職者の就職相談に応じ、面接の準備を整えた上で、ハローワークで企業が面接を行う「管理選考」を実施している。ハローワーク那覇では今月16、17日に4社が実施を予定している。

(比嘉璃子)