陸上・ワールドトライアル 津波が走り幅頂点 助走に余裕 安定増す


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 陸上の富士北麓ワールドトライアルは6日、山梨県の富士北麓公園陸上競技場で行われ、男子走り幅跳びの津波響樹(大塚製薬)が向かい風0・8メートルで7メートル88を跳び、優勝を飾った。走り高跳びに出場した比嘉綱大(駿河台大)は2メートル05で3位。400メートルの木村淳(大阪ガス)は47秒60で6位だった。100メートルではケンブリッジ飛鳥(ナイキ)が追い風0・6メートルの条件下、10秒13をマークした。200メートルは左膝内側の張りで大事を取り棄権。小池祐貴(住友電工)は100メートルで10秒33、200メートルで20秒76だった。飯塚翔太(ミズノ)は100メートルを2本走り、10秒34と10秒25。女子100メートル日本記録保持者の福島千里(セイコー)は1本目が12秒31、2本目も12秒27にとどまり、10月の日本選手権の参加標準記録(11秒80)に届かなかった。

 今季2戦目で早速頂点に立った津波響樹(大塚製薬)。8月のセイコー・ゴールデングランプリ(GP)では踏み切りに「無理やり感があった」と課題を挙げていたが、向かい風の中で大台の8メートルに迫る7メートル88をマークし「調子は上がってきている」と順調に跳躍の感触を取り戻してきているようだ。

 1回目で7メートル87を記録。3回目で7メートル85、4回目で7メートル75、最終6回目でこの日の最長を跳んだ。2回のパスを挟み、ファウルは一度もなく安定感も増した。「(セイコーGPでは)走り急いで踏み切りを強引に合わせにいってしまったけど、助走に余裕が出てきた」とリラックスすることで試技の流れがスムーズになったという。

 一方、大会前からコンディションの良さを感じていたため「8メートルは超えられたかな」と少し残念そうでもある。「向かい風の時に無駄に力んで走ってしまう」と課題を挙げ、修正を誓う。19日からの全日本実業団対抗選手権を挟み、10月の日本選手権に照準を絞る。「しっかり走りの練習をしながら、日本選手権では8メートルは当たり前で、それを大きく超える記録で優勝したい」。調整を繰り返し、感覚を研ぎ澄ませていく。