マンゴーの生育、感染症リスク… 気候変動の影響に対策を 沖縄県、適応計画11月までに素案


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 地球温暖化の進行で予想される経済的・社会的な問題に対処する「沖縄県気候変動適応計画」を策定する協議会の初会合が9日、那覇市の県南部合同庁舎で開かれた。県の関係部局や沖縄気象台、有識者などで構成し、座長に堤純一郎琉球大名誉教授が就いた。11月までに素案を作り、意見公募や市町村の意見照会などを経て年度内に計画を決める。気候変動への適応に関する情報収集などを担う、地域気候変動適応センターも県に設置する方針。

 会合で事務局の県環境部は、県各部局への意見照会の結果を説明した。マンゴーやパイナップルなど農作物の生育に与える影響、集中豪雨の増加による災害の発生や赤土流出、蚊が媒介する感染症の発生リスク、少雨傾向による水不足などの問題が予想されると指摘した。これに対する適応計画の案として、暑さに強い品種開発やハザードマップに基づく浸水対策などを挙げた。これらの案に委員の意見を反映し、適応計画を正式決定する。

 適応計画は地球温暖化が進んだ場合に農林水産業、水環境・水資源、自然生態系、自然災害、健康などの分野で予想される問題を洗い出し、対応策を決める内容。気候変動適応法に基づき策定する。

 沖縄気象台によると、県内の短時間豪雨の発生回数は顕著な増加傾向はみられていないが、今後長期的には増加が見込まれる。一方で年間無降水日の日数は増えることが予想される。その他、猛暑日や熱帯夜の日数も増加が予想される。