コロナ給付金「中には不正申請も」「マスコミ関係者も」 700件代行の税理士、反社の関与は否定


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 新型コロナウイルス対策で収入が半減した個人事業者に、最大100万円が支給される持続化給付金の不正受給が沖縄県内で発生している問題で、県警の家宅捜索や任意聴取を受けた税理士の50代男性が11日、琉球新報の取材に応じた。男性は大量の申請を代行したことを認めた上で「中には不正な申請も含まれているのかもしれない」と述べた。

 暴力団組織や、同組織に所属せずに犯罪行為を繰り返す半グレ集団とのつながりについては「一切ない」と否定した。申請者には昨年の収入実績に間違いがないことや反社会的勢力の構成員ではないことを誓約書に署名押印してもらい、提出を受けているという。

 男性によると今年6月から7月にかけて、持続化給付金の申請代行約700件、確定申告約千件を取り扱った。3割程度は書類や収入などに明らかな不備があり断った。男性が取り扱った申請代行は申請者の人づてで広がっており、自ら申請を呼び掛ける行為はしていないという。

 男性は「手数料が安かったことも広がった要因かもしれない」との見方を示した。関係者によると、男性が取り扱った申請者は日雇いの土木作業員や運転代行業、飲食店関係者らが多くを占め、中には県内マスコミ関係者もいたという。

 男性は「紹介者へのキックバックや、こう申告すれば給付金がもらえるというような指導は一切やっていない」と説明した。給付金の入金後に連絡が取れなくなる申請者も一定程度いることを明かした。

 県警は今月3日、この男性の税理士事務所を含む本島中南部の関係先4カ所を家宅捜索。関係者の任意の事情聴取も行っており、県内で多発している不正受給の実態把握を急いでいる。