32軍壕「平和教育拠点に」 保存・公開求める会が要請書 副知事「検討委で議論」前向き


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謝花喜一郎副知事(左から5人目)に第32軍司令部壕の保存・公開を求める会の要請書を手交する瀬名波栄喜会長(同4人目)=16日、県庁

 第32軍司令部壕の保存・公開を求める会(瀬名波栄喜会長)は16日、県庁に謝花喜一郎副知事を訪ね、第32軍司令部壕を「平和教育の拠点」と位置付け、保存・公開を求める要請書を手交した。謝花副知事は「(会と)方向性は一緒だ。歴史的な意義を考え、平和の発信拠点とすべきではないか、もう一度検討してみようということで新たな検討委をつくろうということになった」と述べ、平和の発信と歴史の継承へ向けた議論を新たな検討委で進める考えを示した。

 謝花副知事は「保存公開を視野に入れて検討委員会をつくる。ラストチャンスという思いで、今の県政でしっかりやり遂げたい」と述べ、実現へ強い決意を示した。検討委で最新技術を活用した公開方法を検討することや、遺骨収集も議題にする見通しも説明した。

 要請の場で元知事公室長の高山朝光さんは、自身が知事公室長として保存・公開を決めた経緯などを振り返り「首里城正殿などの復元と並行し、司令部壕や周辺の戦跡の整備と公開を進めてほしい」と求めた。謝花副知事は「首里城焼失だけに目を向けるのではなく、その下にあった32軍の存在を認識することが極めて重要だ」と述べた。