「献血リレー」次の協力者を指名し推進 沖縄のJC「全国運動に」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 新型コロナウイルスの感染拡大による慢性的な輸血用血液不足を受け、日本青年会議所沖縄地区協議会(JCI)は、県赤十字血液センターと連携した献血推進事業を始めた。「いのちをつなぐリレー」と題し、献血をした人が次の献血者を指名し、継続的な支援につなげる。トップバッターを務めた渕辺俊紀会長は「献血ルームは感染対策もばっちりだった。今後も続けていきたい」と語り、同協議会のメンバーにバトンを託した。

「いのちをつなぐリレー」と題した献血バトンへの協力者ら(日本青年会議所沖縄地区協議会提供)

 県赤十字血液センターによると、現在は例年の実績を踏まえて算出する、最低限必要な輸血量を確保できていないという。新型コロナの感染拡大で、4~8月にかけて企業や団体から献血車の配送のキャンセルが相次ぎ、安定的に輸血ができる状況に至っていない。

 JCIでは当初、献血車の配送を考えていたが、3密を避けるためリレー方式に切り替えた。SNSを中心に流行した、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の支援運動「アイス・バケツ・チャレンジ」に倣い、献血者にSNSでの呼び掛けや発信をお願いしている。事業を担当する仲原和香乃さんは「全国的に輸血血液が不足している。県内から全国的なムーブメントにしたい」と力を込める。

 県赤十字血液センター献血推進課の山内清志推進係長は「保存期間の問題もあるので、継続的な取り組みは非常にありがたい」と感謝。一方で県内で圧倒的に不足している400ミリリットルの全血献血は献血車でしか採血できないことに触れ「感染対策も行っているので、ぜひ企業や団体には献血車の配送先としてご協力いただきたい」と語った。献血や献血車の配送などの問い合わせは同センター(電話)098(834)3201。