「目指すは初の甲子園」夏準VのKBC未来 県秋季高校野球20日に開幕


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高校野球県秋季大会の頂点を目指し、汗を流すKBC未来の選手ら=18日、糸満市の南浜公園多目的広場

 高校野球の県秋季大会が20日、いよいよ開幕する。県高野連が独自に実施した夏季大会から1カ月余り。新チーム発足後も新型コロナウイルスの感染拡大で再び活動自粛に追い込まれ、各校とも開幕ぎりぎりまで練習試合を組み、実戦形式で試合勘をつかもうとしている。夏の県大会で同校初の決勝進出を果たしたKBC未来は、甲子園出場を目標に掲げ、質の高い練習を心掛ける。まずは秋季大会での優勝と九州大会。さらには来春の全国選抜出場を見据え、グラウンドで汗を流している。

 学校にグラウンドがなく、練習は主に糸満市の南浜公園多目的広場で行っている。18日の練習前、メンバー20人が発表され、前城大悟部長からそれぞれに背番号が手渡された。夏季は3年生主体のチームが多かった中、1、2年生を中心としたメンバーで準優勝まで駆け上がった。夏季の経験を生かし、秋季で優勝をうかがう。名前を呼び上げた神山剛史監督は「選ばれた人は謙虚な気持ちで挑んでほしい。ベンチ入りできなかった人の悔しさを胸に結果を残してほしい」と語り掛けた。

 新チーム主将の島袋桜遊撃手は夏季大会での悔しさを忘れていない。帽子に記した「もう負けたくない」の文字に視線を落とし「夏は3年生に助けられた部分が大きかった。先輩が卒業した分、さらにレベルアップし、どこと対戦しても勝てるチームにしたい」。練習中は一番大きな声でメンバーを奮い立たせている。

 夏に続きエースナンバーを背負う松竹嬉竜は、活動自粛中もフォームの確認など、できることを続けてきた。左足首の負傷で夏の決勝には登板できなかった。万全な状態で臨む秋は「配球やバッテリーの完成度などでもっと成長できる」とさらなる進化を誓っている。

 各校とも例年とは練習量が少ない中で迎える新チームの初戦。神山監督は一戦一戦、丁寧に勝ち抜くとした上で「まずは守備を徹底し、そこから攻撃のリズムに乗る。選手との意思疎通も重要になってくる」と勝利への鍵を語った。