ゴーグル越しに首里城現る 仮想現実の世界、歩いてめぐり「思い出して」


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VRゴーグルを使って首里城のCGを見る来場者=19日午前、那覇市の首里城公園

 昨年10月に焼失した首里城を仮想現実(VR)で見ることができる「首里城VRゴー」が19日、那覇市の首里城公園で始まった。VRゴーグルを装着してリモコンを操作し、コンピューターグラフィックス(CG)で作られた首里城の周辺を歩く仮想体験ができる。NTTコミュニケーションズ(東京)、キャドセンター(同)、沖縄美ら島財団の企画。体験ブースは首里城公園有料区域内の世誇殿にある。体験は無料。11月30日まで。

 この日は早速観光客らが体験コーナーを訪れた。兵庫県から家族で来園した中筋耀(こう)さん(16)は「焼ける前の首里城が見たくて残念だったが、こういう形でも見ることができてうれしい」と話した。

 NTTコミュニケーションズはタブレットを使って首里城周辺を歩く仮想体験ができる拡張現実(AR)のCGも作った。このプログラムはガイドの随伴が必要なため、新型コロナウイルスの収束状況を見極めてから一般の利用を始める。VRは機器の消毒など感染対策をしている。

 沖縄美ら島財団首里城公園管理部の上江洲安亨事業課長は「沖縄の人もVRを通して首里城の姿を思い出してほしい。県外からの観光客が減る中、県内需要の掘り起こしにもつなげたい」と話した。NTTコミュニケーションズの田畑好崇九州支店長は「リアルとバーチャルの融合で沖縄観光の付加価値向上につなげたい」と話した。