前原、逆転サヨナラ3ラン 狙って打てて「びっくり」 高校野球秋季大会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
具志川―前原 9回無死二、三塁、大会第1号の中越え逆転サヨナラ本塁打を放ち、本塁でチームメートの祝福を受ける前原の目取眞悠月(中央)=21日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(ジャン松元撮影)

 高校野球の第70回県秋季大会第2日は21日、沖縄市のコザしんきんスタジアムなど3球場で1回戦9試合を行った。前原が最終回の大会第1号本塁打で具志川に6―5で逆転サヨナラ勝ちした。糸満は秋季の大会記録を更新する1試合6本塁打を放ち、31―1で首里東に五回コールド勝ち。コザが6―5で宜野湾に、球陽が3―1で那覇商に競り勝った。そのほか、首里は9―1で北部農林、石川が11―1で那覇西、日本ウェルネスが17―0で浦添に、浦添商が12―0で宜野座、与勝が10―3で小禄にそれぞれ勝利した。

 劇的な逆転ホームランだった。前原の目取眞悠月は2球目の直球を強振。球は高く上がり、中堅へとぐんぐん伸びて大会第1号。敬遠しようと投げられた球だったが「変化球には手を出さず直球狙いだった」と甘い球を見逃さなかった。

 2点差を追い掛ける九回無死二、三塁で飛び出した3点本塁打に会場はどよめいた。柵越えを見届けた瞬間、選手たちはベンチから飛び出し、殊勲の1年生を囲んで喜びを爆発させた。

 五回に先制され、常に追い掛ける展開だったが、最後の一振りで試合をひっくり返した。

 攻守で1年生が底力を発揮した。比嘉健登は八回、レフト頭上を越える三塁打などで2打点の活躍。先発投手の島袋優汰は八回途中までを力投した。

 一番の立役者となった目取眞は「本当にうれしい。ランナー2人で3ランを狙っていたが、打てたので自分でもびっくり」と顔をほころばせた。
 (大城三太)

走攻守で光った 具志川1年中村

具志川―前原 8回1死二塁、センター方向に適時打を放つ具志川の中村圭太

 具志川1年の中村圭太が走攻守でチームを引っ張った。6打数3安打で先頭打者の役割を果たし、左翼の守備も堅実だった。

 五回、内野ゴロで三進すると守備のもたつきを見てホームイン。七回のクロスプレーでは捕手のタッチをよけて生還を果たした。

 九回には2死満塁で打席が回ってくるが、三振に終わってチームは逆転負け。中村は「あと1本出ていれば」と悔しさをにじませた。


▽1回戦

具志川
 000 010 21 1 |5
 000 000 21 3x|6
前原

(具)仲本、池原―與那嶺
(前)島袋、金城、横田―前森

▽本塁打 目取眞(前)=大会第1号
▽三塁打 比嘉(前)
▽二塁打 金城、仲田、中村圭(以上具)、比嘉、眞榮里(以上前)