高校野球の第70回県秋季大会第4日は23日、雨天順延となっていた1回戦1試合を沖縄市のコザしんきんスタジアムで行った。昨年の秋季大会覇者の沖縄尚学が、大会第12号の1本塁打を放つなど那覇に15―0で五回コールド勝ちを果たし、2回戦に進む32校が出そろった。26日から、2回戦が行われる。
高校初本塁打 打線に火/沖尚・知念 高め直球、左中間に運ぶ
初回からフルスイングした打球が、大きなアーチを描き左中間へ伸びた。柵を越え、ぽとりと落ちると、声援が禁止されているスタンド席から「おお」と感嘆の声が漏れ、グラウンドでは沖縄尚学ナインから大きな拍手と歓声が上がった。
沖尚の3番・知念大河が初回に大会第12号の2点本塁打で先制し、打線に火をつけた。高めに浮いた直球を逃さず「打った瞬間に分かった」と手応えは十分。打球の行方を確認し、悠々とダイヤモンドを一周した。昨秋の1年生中央大会以来約1年ぶりのベンチ入り。その初打席で出た、高校公式戦自身初の本塁打に笑みがこぼれた。
昨年の秋季九州大会はメンバー入りできず、沖縄で仲間の奮闘を見守った。「(今年こそ)まじで甲子園に行きたい。まずは県大会、次の九州大会での優勝に貢献したい」。昨年、成し遂げられなかった九州大会優勝へ向け腕を磨く。
知念に続けと、チームはこの日17安打13打点。比嘉公也監督は「あの1本で打線が勢いづいた。だが、まだまだ課題はある」と次戦を見据え、さらなる修正を誓った。
(上江洲真梨子)
▽1回戦
沖縄尚学
43044|15
00000|0
那覇
(五回コールド)
(沖)仲宗根大、豊田―前盛、照屋
(那)平安山―安室
▽本塁打 知念大=大会第12号(沖)
▽三塁打 木場(沖)
▽二塁打 長濱2、前盛(以上沖)
●那覇 力投した平安山櫻倫「初戦から強豪だといって負ける気はなかった。スライダーとカーブで組み立てて打ち取ろうと思ったが、初回の立ち上がりの悪さから失点した。二回以降は自分のペースでいけたが、相手の打撃力の方が上回っていた」