発がん性指摘のPFOS、沖縄に355キロ 20年度に環境省が在庫調査、米軍基地は対象外


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 【東京】環境省は25日、人体への影響が指摘されている有機フッ素化合物の一種PFOSの2020年度在庫量調査結果を公表した。泡消火剤中のPFOS含有量は全国で17・82トンと推計され、うち沖縄には355キログラムが存在した。環境省などは今後、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約に基づく国内実施計画を改定し、PFOAについても今後、調査対象としていく方針だ。調査は在日米軍基地は対象となっていない。

 調査によると、PFOSを含む泡消火剤の総量は全国で338万8千リットルあり、うち県内では4万8344リットルの存在が確認された。

 県内の内訳は自衛隊関連施設が3万50リットル、空港が1万804リットル、駐車場などその他が7050リットル、消防機関が440リットル。うちPFOS含有量は自衛隊関連施設が161・2キロ、空港が66・4キロ、駐車場などのその他が123・1キロ、消防機関が4・2キロだった。

 PFOSは10年に化学物質審査規制法(化審法)の第1種特定化学物質に指定され、半導体用レジストや写真フィルムの製造など一部の用途を除いて使用が禁止された。

 そうした用途についても他の物質への代替が進んだことで、18年4月以降は全ての製品製造への使用が禁止されている。

 一方、泡消火剤としては代替物質があるものの、既に相当量が国内で配備されていることを踏まえ、当分の間は厳格な管理の下で取り扱うよう求めている。

 環境省は、PFOSを含む泡消火剤の代替品への切り替えを促していく考えだ。