米軍基地にPFOS調査で立ち入り要求 北谷町議会が全会一致で決議


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 【北谷】北谷浄水場の水源である米軍基地内の河川から発がん性が指摘される有機フッ素化合物PFOSが高濃度で検出されている問題で、北谷町議会(亀谷長久議長)は25日、9月定例会最終本会議で、同基地への立ち入り調査の要求決議を全会一致で可決した。県や関係市町村による現場確認や土壌採取調査の許可などを求めた。

 併せて、北谷浄水場への嘉手納基地由来の取水を止め、血中濃度調査の実施を求める意見書も全会一致で可決した。決議は第18航空団司令官宛てで郵送し、意見書は近日中に玉城デニー県知事や県企業局長に手渡す。

 決議では、沖縄県の低体重の出生率が全国一でがん発症率も高いことを指摘。厚生労働省が設定したPFOSとPFOAを合わせて1リットル当たり50ナノグラムの暫定値が「健康に影響がないとはいえない」として、嘉手納基地内の河川や井戸群の検査許可を求めた。また県に対しては、住民の不安を解消するために取水口の切り替えなどを要請した。

 同議会は同日、政府に対して、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う地方財政の急激な悪化に対して地方財源の確保を求める意見書も全会一致で可決した。