開かれた交流の場に 那覇の紅型・首里織拠点施設 組合、住民に基本計画を説明


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 【那覇】琉球びんがた事業協同組合(屋冨祖幸子理事長)と首里織職人でつくる那覇伝統織物事業協同組合(赤嶺真澄理事長)は23日、沖縄県那覇市首里当蔵町に建設する拠点施設の基本計画について住民との意見交換会を開催した。イメージ図や各部屋の配置計画を明らかにした。施設は地上3階で作業場や展示、販売スペースなどを備え、地域や観光客など多様な人々に開かれた場所を目指す。

 びんがた組合は共同作業場などを備えた拠点施設の整備が長年の課題だった。首里織組合の現拠点施設は老朽化し、立地も良くないため、新たな拠点を求めていた。

 新施設の予定地は県住宅供給公社当蔵市街地住宅の跡地。両組合は3月に用地を取得した。9月中に基本計画、来年2月までに管理運営計画を策定する。来年3~4月には両組合や企業からなる施設の管理運営組織を設立する予定だ。

 新施設は5月に着工し、2021年度末の完成を目指す。事業費は9億円余。8割は国の沖縄振興特定事業推進費を活用し、1割は那覇市、1割は両組合が負担する計画だ。

 23日の意見交換会は首里公民館で開かれた。1階の駐車場は利用客が8台駐車でき、地域のイベントにも活用する。建物1階には染織物の展示、販売、情報発信のスペースなどを設ける。2階はびんがた組合の作業場や研修室、3階は首里織組合の作業場などを整備する。延べ床面積は約1350平方メートル。

 住民からは、駐車場に入る車道の幅が狭いため事故を懸念する声などが上がった。組合側は、拠点施設の敷地の一部を歩道にして道幅を広げるため、視認性が良くなり通行もしやすくなると説明した。「多世代の住民が交流できるような工夫をしてほしい」「染め織りを学ぶ首里高校の生徒や県立芸術大の学生らとの連携を検討してほしい」との意見もあった。

紅型・首里織の拠点施設のイメージ図(「古琉球」共同企業体提供)
拠点施設について説明する琉球びんがた事業協同組合、那覇伝統織物事業協同組合の理事長ら=23日、那覇市の首里公民館