闘鶏禁止条例「実態つかめず必要ない」 糸満市議会が市民の陳情を不採択に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
保護された闘鶏(タウチー)

 【糸満】糸満市議会(大田守議長、定数21)は29日、市議会9月定例会の最終本会議で、闘鶏(タウチー)を禁止する条例の制定を求める陳情について、反対多数(賛成3、反対11、退席5、欠席1)で不採択とした。同陳情は、闘鶏で負傷し遺棄されたとみられる鶏を市内で保護している本田京子氏が提出した。12月議会から民生委員会が所管となり、継続審議となっていた。今月24日の同委員会では賛成3人、反対3人の可否同数となり、金城悟委員長の判断で不採択となった。

 本会議での討論で浦崎暁市議は、「沖縄県が条例を制定すべきだという多くの意見に「私も同意見だ」と強調。その上で「議論が起きている糸満市で問題を社会や地域に広く提起しなければならない」「条例制定で一層の取り組みが強化される」とし、市独自の条例制定を訴えた。

 一方、新垣勇太市議は「市内で闘鶏が開催されている実態がつかめていない」「動物虐待や賭博は現行法で適切に取り締まることが可能だ」として市独自の条例制定に反対した。

 同じく金城敦市議も「闘鶏の実態のない糸満市で条例は必要ない」、新垣安彦市議は「要請の本来の目的は県議会での同条例制定の可決であり、全県下で闘鶏に関する罰則制定を強く望んでいると推測する」などと述べ、市独自の条例制定に反対した。

 新垣市議らは「県に対して市議会として闘鶏禁止条例制定に向けて意見書を提出するなどすべきだ」とも述べた。