県内商業地の平均変動率はプラス6.2%で、上昇率全国トップを保ったものの、前年のプラス12.0%から大幅に縮小した。新型コロナウイルス感染症による観光客減少の影響を強く受け、中心市街地やリゾート地の下落が目立った。
周辺にリゾートホテルが多い恩納村前兼久前田原の地価は、前年のプラス8.0%からマイナス4.7%と下落に転じた。国際通りに近い那覇市久茂地3丁目も、飲食店収益の大幅減少などにより前年のプラス42.7%から一転してマイナス2.5%となった。
繁華街地域の那覇市松山1丁目はプラス1.6%と上昇は続いたものの、上昇幅は前年のプラス50.3%から大幅に縮小した。濱元毅不動産鑑定士は「地元の消費者が中心の地域はそれほど大きな影響を受けていないが、観光依存度の高い地域は深刻な影響を受けている」と指摘する。
市町村別では、宮古島市がプラス31.5%でトップの上昇率だった。感染症以前は店舗やビジネスホテルなどの不動産需要が高く、市平良の埋め立て地トゥリバー地区へのリゾートホテル建設計画など大型案件があるため、投資家の間には伸び代への期待感があるという。石垣市のプラス11.2%が続いた。
前年からの下落は今帰仁村のマイナス3.4%、恩納村の同3.3%、久米島町の同2.9%だった。