米軍嘉手納基地より南の基地の返還・統合計画で、米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)倉庫群を嘉手納弾薬庫知花地区に移設する計画について、防衛省と米軍が嘉手納弾薬庫知花地区への米軍倉庫群の移転について施設の配置計画を見直していることが、2日までに分かった。米側が施設防護基準の適用の厳格化を求めているほか、移設予定区域が県管理の与那原川と重なったことが要因。当初の計画より西側に移設区域を移動させる形で検討している。変更後も嘉手納弾薬庫内の面積は同程度を維持する方向だ。隣接する市道知花38号の通行に影響する可能性があり、防衛省は「支障が出ないよう検討する」と説明している。
岸信夫防衛相は2日の会見で「日米間の協議が整い次第、沖縄市などに説明する。理解と協力を得ながら移設を進めたい」と述べた。
県は1993年から与那原川の拡幅工事を計画してきた。2015年1月の計画で示された移転後の倉庫配置図は与那原川に重なることから、県は拡幅工事の支障にならないよう配慮を求めていた。防衛省は米軍との再調整を始めた。
隣接する市道知花38号は米軍との共同使用で嘉手納弾薬庫地区内を通る。防衛省は市道を迂回(うかい)させるなどして影響を最小限にする方針だ。
沖縄市の桑江朝千夫市長によると、7月中旬ごろに田中利則防衛局長から計画変更を検討していると報告を受けたという。設計図などは示されなかったが、市道にかかる可能性について理解を求められた。桑江市長は「市民生活に影響がある。形が見えた段階で協議したい」と伝えたという。市は計画について沖縄防衛局に照会している。