連敗キングス不運と光明 クーリーに不可解判定、加入の船生が鼓舞


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 <◇Bリーグ1部 キングス68―79宇都宮(4日、ブレックスアリーナ宇都宮)>

 

宇都宮のポイントガードに激しいプレッシャーをかける船生誠也(右)=4日、栃木県のブレックスアリーナ宇都宮(長嶺真輝撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは4日、栃木県のブレックスアリーナ宇都宮で宇都宮ブレックス(東地区)と今季第2戦を行い、68―79で敗れ、開幕2連敗を喫した。持ち味の堅守で食い下がったが、終盤に相手の連続3点弾などで突き放された。次戦は10、11の両日、沖縄市体育館で新潟アルビレックスBB(東地区)とホーム開幕戦を行う。

 【評】1戦目と同様にロースコアの展開となったが、華麗なパスワークで宇都宮が抜け出し、キングスは前半を9点ビハインドで折り返す。後半は激しい守備から流れをつかみ、一時3点差まで詰め寄ったが、終盤に外角シュートを高確率で決められ、逃げ切られた。

第4クオーター、豪快にダンクをたたき込むキングスのジェイソン・ウォッシュバーン(右)

チーム完成度上げる

 藤田弘輝HC(キングス)の話 前日よりタフな試合。今までだと崩れてしまうところも、もう一回立て直し、プレーの強度を上げられたことは収穫。宇都宮は攻守でいいチーム。チームの完成度を上げ、プレーオフでまた対戦したい。

全員でリバウンド

 安齋竜三HC(宇都宮)の話 クーリー選手がいる中、全員でリバウンドを取ることはできた。ただ自分たちのターンオーバーから流れを崩す軽いプレーもあり、優勝するチームには絶対あってはいけない。一人一人がどれだけ見つめ直せるかが重要だ。

期間限定契約も 自身鼓舞し奮闘 ウォッシュバーン

 ○…今季リーグが特例で設けた「外国籍選手追加契約ルール」でキングスに加入したジェイソン・ウォッシュバーン。他の外国籍選手2人がチームに合流するまでの期間限定の契約だ。高いモチベーションを維持するために「タフな(厳しい)状況」と本音を明かすが「今はキングスのユニホームを着てる。勝ちにつながることをやるだけだ」と自身を鼓舞する。2連戦では、ゴール下の層が厚い宇都宮相手にリバウンドや得意のミドルシュートで貢献した。

 退団後も日本でのプレーを希望しており「(キングスにいる間に)自分の価値を上げていきたい」と気合を入れた。

新加入船生、高身長PGが好プレー

 第3クオーター(Q)序盤、キングスを不運が襲う。ジェイソン・ウォッシュバーンの守りの動きで笛が吹かれたが、判定はなぜかジャック・クーリーのファウルに。これで三つ目。藤田弘輝HCが猛抗議するも覆らず、ファウルがかさんだ攻守の要のクーリーをこのクオーター、ベンチに下げざるを得なくなった。暗雲が漂った。

 重たい空気を振り払ったのが新加入の船生(ふにゅう)誠也だ。7点差の第3Q残り3分ほど。宇都宮のポイントガード、テーブス海に前線から激しく当たり、スチールを奪う。速攻に行きかけたところでアンスポーツマンライクファウルを誘った。うまいプレーにキングスベンチからは選手が飛び出し、藤田HCがほえた。流れをつかみ、3点差まで詰め寄る原動力となった。

 「ああいうプレーでチームのトーンが上がる。いい流れにつながるプレーを継続したい」と決意を語る船生。195センチのフォワードだが、キングスではポイントガード(PG)を担う。攻撃では相手PGとのミスマッチを利用してのゴール下シュートやパスなど求められる役割は多い。

 並里成も「サイズがあって、PGとして守備、リバウンドもできる」と信頼を寄せる。開幕2連敗という結果に「自分は経験不足な部分が多い。反省しかない」と成長を求める船生が、キングスに新風を吹かせる。

(長嶺真輝)