しまくとぅば、講師養成の上級講座が初開催 「子どもたちにどう伝えるか」継承に意欲


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しまくとぅばに詳しい琉球大の中本謙教授(右端)の講座に耳を傾ける受講生ら=4日、那覇市の沖縄産業支援センター

 しまくとぅばの普及、継承や人材育成を目的に、沖縄県しまくとぅば普及センター(波照間永吉センター長)は4日、那覇市の沖縄産業支援センターでしまくとぅば講師養成講座上級講座の開講式を開いた。講師養成の最終段階となる上級講座は初開催。消滅の危機が指摘されるしまくとぅばの話者育成が期待される。「しまくとぅばを取り戻さないと」「子どもたちにどう伝えられるか」。受講生は意欲満々だ。

 講座は2018年度に開始し、これまではしまくとぅばの概論や基礎知識を学ぶ初級、各地域のしまくとぅばの特徴などを知る中級講座が行われた。今回の上級講座は「しまくとぅば教育法」と題し、講師としてしまくとぅばの教え方を学び、模擬授業などを行う。

 4日は開講式に続いて1回目の講座があり、中級認定者と聴講者を含めた約50人が参加した。琉球大の中本謙教授は、小学校などで配布されている「しまくとぅば読本」などを紹介しながら「生徒たちに、どういったことを学ばせるか意識してほしい」と心構えを説いた。沖縄国際大の西岡敏教授は「沖縄」を「うちなー」と言うことを例に挙げ「『お』は『う』、『き』は『ち』と規則的な変化がある。原則に当てはまらない言葉もあるけど」と、おもしろさを紹介した。

 受講した会社員の福里貴之さん(47)=那覇市=は「復帰っ子だが沖縄らしいことが何もできない。沖縄のことを学び、できれば周囲に教えられるようになりたい。しまくとぅばは取り戻さないといけない」と力を込めた。読谷村教育委員会村史編集室の松熊加奈子さん(40)=読谷村=は「教材づくりが目的。子どもたちにどう伝えるか学びたい」と意欲を示した。

 講座は来年2月までで、授業づくりやグループ実習がある。最後の認定試験ではしまくとぅばの総合的な知識に関して、面接形式の口頭試問があり、合格すると認定証が贈られる。