
染織生産者の収益向上や産地間ネットワークの構築を目指す人材育成研修が9月25日、始まった。参加する染織の職人21人が来年2月まで、商品開発やマーケティング、ウェブを使ったプロモーションなどを学ぶ。
沖縄の染織業の従事者はピーク時と比較して織物が約70%減少、びんがたは約57%減少している。1人当たりの年間生産額も多くが100万円以下となっている。研修を実施するゆいまーる沖縄の鈴木修司社長は「なりわいとして成り立っていないのが現状」と指摘する。
国内の人口減少や着物市場の縮小で全国各地の産地が苦境にあえいでいるが、中でも沖縄は着物への依存度が高く、機械化が進んでいないことなどから状況はさらに厳しいという。
鈴木社長は「経済として成り立たせ、文化を継承、進化させる必要がある。染織業界が指摘される課題は20年前から変わっていない。SNS発信など先輩たちがしてこなかったことが重要だ」と話した。