首里城の復興へ まちづくり大事 高良倉吉さんらシンポ


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首里城再興学術ネットワークシンポジウム2020で基調講演する琉球大学名誉教授の高良倉吉氏=10日、那覇市の県立博物館・美術館

 琉球大学の研究者らで発足した首里城再興学術ネットワークのシンポジウム(主催・琉球大学)が10日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。琉球大学名誉教授の高良倉吉さんと沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)会長の下地芳郎さんが基調講演した。

 高良さんは首里城復元のコンセプトとして「周辺の御茶屋御殿や中城御殿、円覚寺なども復元し、元々の『首里(すい)の町』の景観に取り組むことが大事だ」と話し、周辺のまちづくりを重視するよう強調した。また、1992年の復元時にはなかった正殿の玉座の写真が後から見つかったことを明かし「前回の復元から修正していく点もある。新しい知見に基づきどのように再建に生かしていくべきか考えたい」とした。

 下地さんは、正殿復元は早くても2026年度になる見込みであることを踏まえ「国内外の継続的な取り組みが必要だ。県内の関心をどう外へ広めていくのかが重要だ」と強調した。