【沖縄】米兵が起こした人身事故を契機に、住民が米国人車両などを焼き払ったコザ騒動から12月20日で50年を迎える。これに合わせ沖縄市中央の市戦後文化資料展示館「ヒストリート」で13日、企画展「『コザ暴動』を考える~あれから50年~」が始まった。半世紀前に起きた事件が旧コザ市(沖縄市)や県民にどのような影響を与えたのか、事件の「その後」に焦点を当てている。来年1月31日まで。
同館は2010年を皮切りにこれまで企画展を3回実施しているが、事件後の社会情勢や住民感情に迫った試みは初めて。1970年12月20日当時のコザを舞台に、焼き払った車両や憲兵隊との攻防が繰り広げられた場所などを詳しく地図に落とし込んだ巨大パネルや、当時の写真、住民や警察官の生の声を盛り込み、臨場感あふれる展示となっている。
また、事件直後にランパート高等弁務官が発表した毒ガス移送延期に関する声明の背景や、度重なるオフリミッツ発令により経済活動が停滞し、複雑な心境を抱える住民の証言などにも迫る。
市史編集担当者の廣山洋一さんは「それぞれの人にとって『コザ暴動』の受け止め方や、米軍に対する感情が異なったはずだ」と指摘する。その上で「当時の状況や社会情勢を伝える資料の展示が、一人一人にコザ暴動やその後の沖縄について考えるきっかけになれば」と述べた。
入場無料。営業は火曜~日曜の午前10時~午後6時。問い合わせは(電話)098(929)2922。